HITE-Mediaオンライン座談会 「未来の死を考える – AI、ロボット、民俗学から」

開催日: 2020.10.09

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場所: YouTube LIVE

20XX年、私たちの「死」の感覚はどう変化しているのでしょうか。いまや故人のデータはネットワーク上に残り、「AI美空ひばり」のようにAIが過去の偉人を「復活」させたり、バーチャル空間内で死者と再会したりすることも可能な時代となりました。今後はお墓や葬儀のシステムも見直されていくかもしれません。それは同時に、住む土地への帰属意識や共同体の変化にもつながるでしょう。新型ウイルスが猛威をふるい、記録的な自然災害が頻発する中、この先深刻化する高齢化社会において、「死」がどう扱われるかは重要な議論点となっています。

情報技術と人間社会の関係を探求するJST/RISTEの研究領域「人と情報のエコシステム(HITE)」において、そのメディア展開を仕掛ける「HITE-Media」では、死生観をテーマとする座談会を立ち上げました。

今後、私たちの「死」はどう変化していくのでしょうか。この環境変動の時代に「死」と向き合うことは、人間中心の視点を脱却し、この世界を共有する動物や植物など他種の「生」を感じ、生態系の循環を振り返ることへもつながるかもしれません。そこでHITE-Mediaでは以下の問いを立てました。

〈問い〉
これまで人間は「死」とどう向き合ってきたのでしょうか?
私たちはどのように「死」を受け止めていくのでしょうか?

〈登壇者への依頼〉

この問いを深く考えられる作品をひとつ推薦して下さい。

本企画では、上記の問いのヒントとなる作品を1点ゲストに紹介してもらいます。参加するのは、民俗学者の畑中章宏さん、アーティストの長谷川愛さん、市原えつこさん、死後データの意思表明プラットフォーム「D.E.A.D」をプロデュースするWhateverの富永勇亮さん、情報学研究者のドミニク・チェンさんをお招きし、多様な視点で「未来の死」を考察します。

【概要】
10月9日(金)20:00-21:30
配信URL: https://youtu.be/5__AgG3Z1c0

【出演者】
畑中章宏(民俗学者)
長谷川愛(アーティスト)
市原えつこ(アーティスト)
富永勇亮(Whatever)
ドミニク・チェン (情報学研究者)
モデレーター:塚田有那(HITE-Media)


【出演者プロフィール】
畑中章宏(民俗学者・作家)
〈感情の民俗学〉の視点により、民間信仰・災害伝承から最先端の風俗流まで幅広い研究対象に取り組む。おもな著書に『柳田国男と今和次郎』(平凡社新書)、『災害と妖怪』(亜紀書房)、『天災と日本人』(ちくま新書)、『蚕』(晶文社)、『関西弁で読む遠野物語』(エクスナレッジ)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)ほかがある。最新刊は『五輪と万博』(春秋社)

長谷川愛(アーティスト)
テクノロジーと人の関係についての作品を制作している。IAMAS、RCA、MIT Media Lab卒。2017年から東京大学にて特任研究員。「(不)可能な子供/(im)possible baby」で文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞。森美術館、上海当代艺术馆、スウェーデン国立デザイン美術館、アルスエレクトロニカ等国内外で多数展示。著書『20XX年の革命家になるには──スペキュラティヴ・デザインの授業』など。

市原えつこ
(アーティスト)
1988年、愛知県生まれ。メディアアーティスト、妄想インベンター。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。家庭用ロボットに死者の痕跡を宿らせ49日間共生できる《デジタルシャーマン・プロジェクト》が第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞、アルス・エレクトロニカ賞で栄誉賞を受賞。

富永勇亮
(Whatever)
2000年AID-DCC設立に参画、COOとして在籍、2014年dot by dotを設立。2018年からPARTY New Yorkのプロデューサーを兼務、2019年1月にグループ化、Whateverを設立、代表に就任。東北新社と共同出資しWTFCを設立、CSOに就任。広告、インスタレーション、MV、IoT、ファッション、TV など様々なプロデュース活動を行い、カンヌライオンズ、SXSW、文化庁メディア芸術祭、The Webby Awardsなどを受賞。COTODAMA、“YUMMY SAKE”、BASSDRUMへ出資、社外取締役を兼務、コーワーキングスペースを運営するなど、クリエーター同士のゆるやかなネットワークをつくる事がライフワーク。Femtechグッズなど「未来の日用品」をコンセプトにしたセレクトショップNew Stand Tokyoを乃木坂にオープンした。

ドミニク・チェン
(情報学研究者)
1981年生まれ。博士(学際情報学)。特定非営利活動法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事。NTT InterCommunication Center[ICC]研究員, 株式会社ディヴィデュアル共同創業者を経て、現在は早稲田大学文化構想学部准教授。一貫してテクノロジーと人間の関係性を研究している。近著に『未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために』(新潮社)がある。その他の著書として、『謎床―思考が発酵する編集術』(晶文社)、『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック―クリエイティブ・コモンズによる創造の循環』(フィルムアート社)など多数。監訳書に『ウェルビーイングの設計論―人がよりよく生きるための情報技術』(BNN新社)など。

モデレーター:塚田有那(HITE-Media)

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